株式会社I-ne
消費者メカニズムの数理モデル化とコミュニケーション戦略策定

クライアント
株式会社I-ne 様
プロジェクト概要
消費者メカニズムの数理モデル化とコミュニケーション戦略策定
実施時期
2017年10月〜

事象の背景から理解してもらえるので、自分たちのアクションに活かせる踏み込んだ提案をしてもらえました。

  • 株式会社I-ne ダイレクトマーケティング本部
    橋本 恒平様

  • 株式会社I-ne マーケティング本部コンシューマー&マーケットナレッジ部 部長
    平原 大嗣様

  • 株式会社I-ne マーケティング本部ブランドマネジメント部 BOTANISTブランドマネージャー
    小林 麻美様

株式会社I-ne様には、売上予測モデルの構築やEquity Compass(注:ビジネスにインパクトを与えるブランドイメージの特定と、そのイメージを持つために必要なコミュニケーション戦略の提案を行うサービス)を始めとする複数プロジェクトのご発注いただいております。今回は、プロジェクトご発注当時を振り返ってお話をしていただきました。

I-ne様にはたくさんのプロジェクトをご発注いただきましたが、中でも思い出に残っているプロジェクトは何ですか?

市場や生活者のメカニズムを理解するという売上予測の本質を体験できた

橋本さん売上予測モデルの構築ですね。不良在庫がPLを圧迫していたときに、売上予測の精度を上げる必要性を感じていました。書籍を読んでデータに基づいた売上予測ができるということを知り、何社かに話を聞き始めていました。

平原さんホジョセンさんは、数値に変化があれば、なぜそのような変化が起こったか、その背景を気にしてくれて、生活者のある行動によって、この指標がこのように動く…といったようにしっかりとビジネスを理解した上で予測モデルに変換するという提案をしてくれたので、とても新鮮でした。

高橋数字だけでもモデルを作成できるのかも知れませんが、企業が何か行動を起こしその結果として何かの指標が変化するわけですから、そのメカニズムをモデルに組み込みたいですよね。

橋本さんまさにホームページに書かれているように、市場と生活者のメカニズムの解明が根幹にある売上予測モデルを作成していただいたと思います。

高橋メカニズムに則るからこそ予測モデルを「う売上を伸ばすか」のプランニングや「何がいけなかったか」のレビューのツールにすることができるんです。

株式会社I-ne 橋本 恒平様

社内プロセスの強化に成功

橋本さん今まさにそういった使い方ができるようになってきましたね。予測モデルがなかったときはそれぞれが自分の経験則で要因や将来像を語っていて主張がまちまちでしたが、モデルができたことで社内の認識を統一しやすくなりました。

足立予測モデルと、それを使ったビジネスプランニングが社内で浸透し始めているのは嬉しいですね。

橋本さん使い勝手の良いモデルを作ってもらったおかげですね。ホジョセンさんとの定例会でモデル活用の議論もさせていただいていますが、それも精度向上に寄与していると思います。

高橋大西社長のnoteでも紹介されていましたね。高い精度が出ているようで安心しました。ところで、I-ne様の製品は何度もSNSでバズっていますね。そういう時は予測がズレがちなのですが、社内の反応はいかがでしたか?

株式会社I-ne 平原 大嗣様

平原さん以前高橋さんもおっしゃられていましたが、バズはデータのノイズみたいなものだと思うので、さすがにそのタイミングでは修正をしなくてはいけないこともありました。ただ、その修正の方向性を検討するときにも、モデルができる前後で比較すると、バズが起きたときにどの要因がどう変化したのかを分解して検証することができるようになったので、生産調整も以前より自信が持てるようになりました。

橋本さんSCMや営業施策も含めた予測会議で全員認識を合わせて発注ができるようになりましたし、財務とのすり合わせも強化されています。

平原さん元々は在庫削減のために作った売上予測モデルでしたが、今思えばそれは守りのフォーキャストです。今はその次の段階の攻めのフォーキャスト。モデルを活用して、売上をどのように伸ばすかのプランニングの議論へ移行しました。現場で実際に動いている私たちもプランニングがとてもしやすくなったので、これまでホジョセンさんにいろいろなプロジェクトをお願いしてきた中でも感謝の気持ちが一番大きいプロジェクトですね。

橋本さん私は売上予測モデルによってゲート設計ができたことが一番大きいと思っています。開発段階で明らかにリスクが高そうな製品を世に出すことがなくなりましたね。これまでのスピード感が損なわれる部分もありますが、いくらスピード勝負でも生活者調査で製品のクオリティを確認しなければ相応のリスクがあるという認識を社内にインストールできました。上市を管轄する部署から生活者調査の結果を聞かれるようになり、会社全体で生活者に向き合えるようになったと思います。

ブランドマネジメントの観点では、いかがでしたか?

組織の意思決定に寄り添い、事業を前に進めるサポートをしてくれる

小林さん社内で進んでいた大きなプロジェクトにおける重要な意思決定を、ホジョセンさんのご提案をもとに経営陣と議論し、決断したことがとても印象に残っています。ホジョセンさんは組織を伴って進める難しさを分かってくださっていて、ステークホルダーにどう働きかけるべきかや、物事を前に進めるためにどう意思決定すべきか、という私たちの悩みに対してすごく寄り添ってもらえました。大きな意思決定のときにご一緒できて良かったと思っています。

足立意思決定まで並走することで役員のみなさまとの議論もできましたし、一緒に走るというところを私たちも楽しませてもらえました。

株式会社I-ne 小林 麻美様

ブランド育成初期に、ブランドの現状と理想の将来像とのギャップの共通理解ができた

小林さん私はブランドの担当歴とホジョセンさんとのご一緒歴がほぼ同じくらいなのですが、ブランド戦略のブラッシュアップに並走していただきながら一緒に育ててもらえたと思っています。ホジョセンさんにはじめてEquity Compassを発注した当時は、理想のブランド像と、他社と比較した際の強みや生活者がブランドを選んでくれる理由が噛み合っているのか分からない状況でした。プロジェクトを通して自分たちの強みがどこで、今後どこを目指していくべきなのかをチーム内で早い段階で意思統一ができたので、ホジョセンさんにお願いしてすごく良かったと思っています。

平原さんボタニストはブランドの世界観をとても大事にしているので、こういうイメージを持たれたいという理想像がありました。でもそうしたブランドイメージのどれが購入に繋がっているのか、生活者の方にそのイメージを強く持っていただくためには、何を想起してもらえば良いのかまでは理解しきれていない部分もありました。今まで大事にしていたブランドイメージがどう繋がっているのかや、今後連想を強化しなければいけないブランドイメージは何かというのを初回のプロジェクトで共通認識にできたので、チームとして同じ方向を向くことができました。

小林さんまた、ホジョセンさんの分析によって、ブランドイメージをどのように構築していけば理想像に近づき、かつBOSS(生活者)に選んでもらえるかが明らかになったので、クリエイティブ戦略に落としやすくなりましたね。ホジョセンさんの分析を代理店さんとのオリエンにも活用しています。自分たちで実施しているインタビューで得られた断片的な情報をホジョセンさんの分析と重ね合わせて見ることもしていて、ブランドイメージの繋がりの中で「今の定性インタビュー結果は、Equity Compassで言うとこの部分だね」とか、「このイメージはここと紐づくんだね」、と読み解いています。生活者理解も深くなり、的確な施策を展開できるようになってきました。

足立インタビューと組み合わせて見てもらえるというのは、こちらとしても想定していなかった使い方ですね。クリエイティブ戦略に落とすというのはEquity Compassの大きい狙いの1つです。他社さんでは、報告会に広告代理店の戦略プランナーやアートディレクターが同席して議論することもありました。

小林さんめちゃくちゃ活用しています! Equity Compassをもとにプロモーションを模索しつつ成果を出すことができたのですが、そのときの広告代理店さんへのオリエンにもホジョセンさんの報告書を使わせてもらい、キャンペーンの骨子を決めるのに活かすことができました。

株式会社ホジョセン 高橋 孝之(左)、足立 理恵(右)

では、最後にみなさんにとってホジョセンはどのような会社なのか教えていただけますか?

個別の背景を理解し、アクションに活きるオリジナルな提案をくれる

平原さん冒頭の話と重なるかもしれませんが、ホジョセンさんは一般論にとらわれることがなくて、このカテゴリの生活者はこういう行動をするから・・・といった個別の背景を理解した上で提案をしてくれるのが良いですね。ホジョセンさんのご提案は粒度が適切で確からしさもあるので、自分たちのアクションに活かすことができます。案件ごとにその背景から理解して踏み込んだ提案をしてもらえるところがホジョセンさんのユニークな特徴だと思います。

小林さんホジョセンさんらしさは、とんでもなく賢い精鋭集団で、アウトプットに絶対の信頼がある上に、事業の推進に伴走いただけることだと思っています。だからこそ、前述のゲートプロセスにおける意思決定ができましたし、そこに信頼がなければ、正しそうな提案をもらったとしても「いや、でもわかんないからやっぱり進めよう」みたいな意思決定になっていたかも、と思っています。

平原さん確かにホジョセンさんは、意思決定に大きなリスクが伴う時にこそ、支援をお願いしたい会社ですね。

橋本さん市場と生活者のメカニズム理解の解像度がホジョセンさんほどに高い会社はないと思います。アウトプットを見たときの、市場はこうなっているのか、生活者の意思決定ってこうなっているのか…といった納得感がすごくあります。Equity Compassのアウトプットを見ても、漠然としていた課題感や強みが凝縮されていて、レベルが違うなと感じました。

平原さんそうですね。ホジョセンさんのアウトプットは既視感がないですね。きちんと考えられているので、納得感があります。

橋本さん長年お付き合いが続いていることが、社内にホジョセンさんのクオリティが浸透している何よりの証拠だと思います。

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