さくらインターネットの社内横断リブランディングプロジェクト「ブランド委員会」のリーダーを務められた、当時マーケティング部部長の櫻井裕さんにお話をお伺いしました。
創立20周年の節目を迎えることもあり、会社のブランド戦略策定をお願いをしました。
弊社は立ち上げ以来、他社との吸収合併の繰り返しで、会社としての企業理念はしっかりとあったものの、社員一人ひとりが違う方向を見ている傾向がありました。
そこで、かねてから社長がそのことについて問題意識を抱えていたこと、ちょうど節目のタイミングであったことなどから、思い切って、社員の気持ちを一丸にするようなプロジェクトをお願いしました。
正直なところ、リブランディングに取り掛かってからしばらくの間はとても苦労しました。というのも、当時は社内から、「それが一体何のためになるのか」「リブランディングがどう売り上げに貢献するのか」と言った批判の声があがったのです。
私としては、リブランディングは、会社にとって明るく前向きなことだし、広報的にも悪くないのになぜ、こんなにも社内障壁ができるのかと不思議で仕方ありませんでした。今思えば、通常のルーティーンワークに、新たに「リブランディング」というプロジェクトを加えたわけですから、スタッフから不満が出るのも仕方ありませんね。
さくらインターネットとはいったいどういう存在なのか、というとても抽象的なことも、ホジョセンさんを交えて議論しました。全社員からしっかりとヒアリングをおこない、自分たちの強みや良いところを見つめ直す良いきっかけにもなりました。
結果として、リブランディングプロジェクトが始まってからしばらくたった今、社内の意識が随分変わってきたように思います。理由は、様々にあると思うのですが、1番は諦めずに繰り返し社内に働きかけていたことだと思います。例えば、インターネットという単語に「」をつけるかどうか、internetの“i”は大文字なのか小文字なのか、theがつくのかつかないのかで、ホジョセンさんとも議論しましたし、社内で何日も話し合ったこともあります。
現在、リブランディングプロジェクト開始当時はスタッフ・リーダーだった社員が、弊社の事業の中核を担う会社のエースへと成長しました。話を聞くと、当時ブランドワークショップなどで社内の部署の境界を超えて色んな人と真剣に話し合えたのがいい経験になったようです。
ホジョセンさんには、全体のブランド戦略策定のプロセス設計やアドバイス、ワークショップのファシリテーションをおこなっていただきました。逆に「ここは自分たちで行わないと、失敗しますよ」といったアドバイスもありました。アドバイスをもらうところはもらい、自分たちで行うべきポイントはしっかりと自分たちで実行していくことで、プロジェクトはきちんと進んでいきました。ホジョセンさんと一緒に考えて作ったブランド定義が、社内でもきちんと受け入れられて、ほぼそのままの形で世に出せたのは、「ブランド委員会」リーダーとして僕が頑張ったからだと思います(笑)。
「やりたいこと」を「できる」に変える
今ようやく、ロゴやキャッチを刷新し、会社が一つにまとまってきたところですが、今度は外に向けて、このフレーズを会社のブランドとして消費者の方にお届けしていくことが今後の使命になります。
学びの記録
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