コラム

ブリの照り焼きは海にいない〜調査で「答え」を探してはいけません

Q&A
執筆
高橋 孝之
公開日
2018年12月23日
更新日
2022年9月21日

新人マーケターです。
今回新商品のヘアケア製品の開発に伴い、消費者インタビューを実施するべきだという話が持ち上がっているのですが、インタビュー設計において気をつけることは何でしょうか?

マーケター

頭に入れておくべきなのは、「ブリの照り焼きは海にいない」ということです。 これはどういうことかというと、「消費者調査をしたからといって求めている答えが簡単に見つかる」わけではないということです。
例えば料理に例えてみると、ブリの照り焼きを作ろうと思ったら、ブリや醤油、みりんなど材料を調達しなければいけませんよね。 材料を集めて、調理してやっと出来上がるものです。

インタビュー設計においても同じことが言えます。あくまでも、消費者調査をするということは「ブリを獲りに行く」のであって「ブリの照り焼き」そのものが簡単に手に入るわけではありません。
要するに、インタビュー調査をしたからといって消費者が答えをそのまま投げてくれる訳ではないのです。調査の中でヒントを見つけ、それを調理して答えを導き出すのがマーケターです。

今回はヘアケア製品の開発ということですが、例えば「どんなヘアケア製品があったら嬉しいですか?」なんて聞くのはナンセンスと言えます。消費者は専門家ではありませんし、「XXというような成分が入ったものを作れば良い」などと答えを提供してくれる訳はありません。

インタビューにおいて、「この人はどんな商品だったら喜ぶのだろうか」を考え、質問への回答を分析し、解釈しなければいけないポイントを考えます。そのポイントを解釈できるようになるためにはどのような情報が必要かを明確にした上で、インタビューの質問の設定をするようにしましょう。

質問のしかたについてですが、上記のように、直接的に聞くのはNGだということはもちろん、「リーディングクエスチョン」と呼ばれるバイアスがかかってしまうような質問の仕方もあまり良くありません。

例えば、「XX代女性のXX%以上が美容に関心があると答えていますが、あなたは美容に関心がありますか」というような質問です。
このような聞き方は、質問に先入観を持った状態で回答させてしまうので、消費者の本当の心理を汲み取れない可能性があります。

定性調査というのは「なぜ」の理由がわかりやすい調査です。なぜそう思うのか、どういったことからそのような感情が生まれるのか、というような「なぜ、どうして」の部分がはっきり掴めるような聞き方を心がけると良いでしょう。

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