ポジショニングを考える上でのポイント3つ

堀井 里奈

効果的な市場開拓のために、STPの見直しを行おうと思います。STPを固めていく上で、気を付けなければならないことがあれば教えてください。

メーカー

新たなブランドや商品の開発を行うときに、どのような人にどのような価値を提供するのかということは、扱う商品やサービスの種類や性質にかかわらず、どの企業においても必ずお話されるのではないかと思います。

ご相談にあったSTPとは、新たに市場を開拓する上で、「誰に」「何を」提供するのかを明確にするためのマーケティング手法の1つで、

Segmentation(セグメンテーション)…消費者を幾つかに分ける
Targeting(ターゲティング)…どのタイプの消費者を標的にするか決める
Positioning(ポジショニング)…顧客の頭、心の中にある商品・サービスの明確なポジションを確立すること

の3つの要素の頭文字をとったものです。

さて、このSTPについてですが、セグメンテーションとターゲティングは主にポジショニングを行うための手段です。そのため、STPにおいて最も重要なのは、これらの手段を駆使して、何としてでも独自のポジションを築き上げること。ですから本日は、STPを考える上で最も重要な、そのポジショニングのポイントについてお話しようと思います。

①優先すべきは、事実よりも知覚や認識

よく似た現象としてだまし絵があります。皆さんも、ご覧になったことがあると思いますが、だまし絵は描かれたものが現実に存在するかのような錯覚を与えますよね。マーケティングの場合は、実際にはそうではないものを、さもそうであるように言うことにより、人にそのようだと認識させます。なぜなら、消費者の選択は、こうした認識によりなされるので、科学的真実が必ずしも重要であるとは限らず、人の認識の方が科学的な真実よりも優先される事は珍しくありません。

②戦略的に捨てる・集中する

独自のポジションを確立するためには、大きな市場で戦うのではなく、市場に存在するほとんどの消費者を切り捨てることにより、小さな市場を作り出す必要があります。なぜなら、あの人にもこの人にも好かれようとすると、結果としてコンセプトがぼやけた商品が出来てしまい、最終的に誰にも愛されないものになってしまうからです。

過去のホジョセンメルマガでも何度もお伝えさせていただいてるのですが、大切なのは、たった一人の熱狂的なファンのために作ること。そうすることで、はっきりとイメージされる商品が出来上がり、人々の記憶にも残りやすくなります。「一人に愛されるだけでは全然売り上げが足りないよ」と思われる方もいるかもしれませんが、一人の熱狂的なファンの周りには、必ず似たような嗜好を持つ人が複数人いるものなのです。

③一貫性を持たせること

人の認識はおよそ第一印象で決まり、また、過去に得た知識や経験からしか物事を判断できないと言われています。つまり一度「このブランドはこんな感じ」というイメージがついてしまうと、なかなかそれが覆らないので、新しいことを始めるにしても、あまりにもこれまでの消費者イメージからかけ離れてしまうと「なんか違う」ということになってしまいかねません。そのため、新商品の開発といった場面においても、必ず1ブランドとして一貫性を持たせることが必要になります。

始めからポイントの全てを実践することは難しいかと思いますが、これらを意識するだけでもより効果的なSTPが確立できると思いますよ。

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