コラム
キッチン用品のメーカーです。来期の戦略を考える際に、現ユーザーから自社ブランドの良いところを詳しく聞きたいです。これから現ユーザーに話を聞こうと思うのですが、注意すべき点を教えてください。
家庭用家財メーカー
強みを理解しようとすることはとても大切なことです。自社ブランドの現状をよく知り、強みを伸ばしていくことは、ブランディングの基本的なセオリーですよね。
それでは、自社ブランドの良いところを正しく理解するために、注意すべき点について考えていきます。
そもそも自社ブランドの強みは絶対的に決まるものではなく、他のブランドがたくさんある中で、相対的に決まるものだということを忘れないようにしましょう。今回のように自社ブランドについて詳しく知りたい場合でも、他社製品と比較するための軸を設定する必要があります。その際に比較の軸として考えられるのは
の2つの軸が望ましいと思います。
1だけですと、ユーザーにとっての自社ブランドはわかりやすいのですが、他社ブランドを使っている人から自社ブランドがどのように理解されているかが見えづらいため、2があったほうが、自社ブランドについてより理解出来ると思います。
今回の質問自体は、現ユーザーに話を聞きたいということでしたが、根本の目的が自社ブランドの良いところを知りたいというのであれば、1と2の両方の視点で見る必要があります。
ところで、今回のように現ユーザーから話を聞く場合、自社ブランドのユーザーだからといって、誰から話を聞いても良いというわけではありません。以前の「よくあるご相談」コーナーでも同じような話をさせていただきましたが、話を聞いてはいけないターゲットとして「非傾聴ターゲット」の存在に気をつけなければいけません。「非傾聴ターゲット」つまり買ってくれても良いが、彼らの話を聞いてブランドを考えてはいけない人達のことです。
嫌われない程度に付き合いつつも言うことを聞いてはいけません。よく弊社が挙げる例なのですが、ヘアケア商品における男性ユーザーなどがわかりやすいのではないでしょうか? 男性ユーザーに購入してもらうのは大歓迎ですが、ブランドをたたせていくためには、聞かなくても良い人からは話を聞かないことです。今回の場合もターゲットと考えられるユーザーから話を聞き、「非傾聴ターゲット」には注意しましょう。
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