コラム
食品メーカーです。現在、ヨーグルト分野で新商品を開発中です。ターゲットとなる消費者を明確にしなければ…と考えているのですが、消費者セグメンテーションを行う必要があるでしょうか?また、どんな商品ブランドだと消費者セグメンテーションを行う必要がでてきますか?
食品メーカー
セグメンテーション(segmentation)という言葉は、メーカーでお仕事をされている方なら何度も耳にしたことがあるのではないでしょうか。既に作成して、活用している企業の方も多いかもしれません。セグメンテーションとは、そのカテゴリーを購入している消費者を、いくつかの区分に分けてみていくという、マーケティングの現場でよく行われる手法です。
例えば、弊社ではニーズセグメンテーションと言って、消費者の方の趣味嗜好や考え方(インサイトを含む場合もあります)で、消費者の方を区分分けするご提案をよくさせていただくのですが、このセグメンテーションには、しっかり作成しようと思えば、消費者調査を調査会社に依頼する必要があり、わりと大きな金額が必要となる課題が挙げられます。一概になんでもかんでもセグメンテーションしなければならないのかというと、その必要性については十分考慮する必要があるというわけですね。それでは、どんな場合に消費者セグメンテーションが必要なのか考えてみましょう。ポイントは2点です。
セグメンテーションが必要なのかどうか、開発中の新商品が例えば2~3%程度のシェアを狙うような商品なのか、それとも20%を超えてある程度マスに向けて売っていく商品なのかによってまずは大きく分別されます。セグメンテーションを行なう必要があるのは、後者の時のみです。前者の場合は、自分たちでこんなブランドを作りたい!こんな消費者をターゲットにしたい!と決めてしまって、ひたすらターゲットを深掘りし肉付けしていけば良いと思います。大きくシェアを取りに行くのでなければ、市場全体がどんなセグメントで分けられ、どのセグメントに向けて商品を出していくのが良いのか…といった発想は必要ありません。とにかく自分たちの商品を愛してくれるコアな消費者に向けてブランドの価値をひたすらコミュニケーションしていくのが良いでしょう。
自社でひとつのカテゴリーに多くの商品を展開している場合は、セグメンテーションを行って、市場全体を理解する必要があります。効率的な商品展開として、自社ブランドをそれぞれ別のセグメントに展開していくことが基本だからです。そうでなければ、自社ブランドどうしカニバリを起こしてしまい、非効率的な商品展開になってしまいます。競合のブランドも含めてセグメンテーションの区分に各ブランドを当てはめ、どのセグメントにチャンスが有りそうなのか考えていくと良いでしょう。
一方で、複数ブランドを持っていない場合は、セグメンテーションの必要度合いはずいぶん下がります。もちろん、セグメンテーションにより競合ブランドが網羅できていない、もしくは薄いセグメントを探すことができますので、そういった点においては有益です。ただやはり、カテゴリー内で1つしかブランドを展開していない場合などは、セグメンテーションとは別のところに予算を使うことをお勧めしたいです。それが調査会社に依頼して使うような調査予算であったとしても、例えばコンセプトをブラッシュアップするために使ったり、ターゲットにコンセプトが伝わるのか確認したり、様々な使い方があると思います。
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