ブランドの約束を作り抜く難しさと価値について

堀井 里奈

自社オリジナルの商品開発を進めており、そのブランディングを担当しています。ターゲット像や便益については固まってきているので、ブランドを表現できるメッセージを定めようとしているのですが、作ったものになんとなく納得感がありません。

文具用品商社

質問をくださった方がおっしゃる、ブランドを表現するメッセージとは、弊社で「ブランドの約束」とお伝えしていることですね。ブランドを使用することでお客様に何がもたらされるのかを示すので、弊社では約束という言葉を使って表現しています。

さて、ブランドの約束にとどまらず、何かの概念を表現する一文を作るというのはとても難しい作業ですよね。

ただこの作業は、共有できるものとして形にするだけでなく、それと同じくらい、そのプロセスを踏むこと自体がブランディングにとって価値のあることです。「一文のメッセージをつくる」というシンプルな命題の割に手間も時間もかかりますが、根気強く取り組んでいくことで会社にとっての貴重な財産になることと思います。

まず、「何かの概念を表現する一文を作ること」について難しく感じるポイントは、単純に概念を言葉にあらわす・まとめること、概念をさらに掘り下げ具体化していくことのいずれかにあるのではないかと思います。

言葉にするという点について、概念をあらわすものですから、読んだ人がおおよそ同じ方向のイメージを持てることが最低限必要です。また、ブランディングにおけるブランドの約束は、キャッチコピーやセールスコピーとは違います。そのままの形で消費者に向けて発信するものではなく、自分たちのブランドに関わる全ての活動の軸として、自分たちの中に据えるものです。

であるならば、ブランドの価値をよりダイレクトに言いあらわせること、端的に表現することを目指しましょう。

表現する約束の一文をつくるにあたっては、まずは素直にブランドがお客様に届ける価値、目指すものとして選び抜いた要素を一旦まとめてみる、その上でしっくりくるように修正をかけていくのが一番上手くいくように思います。

しっくりこないというのは、言葉の選び方・表現だけと思われるかと思いますが、価値の本質に至る議論がまだ足りていないために焦点が合っていない、自分たちが目指すブランドの姿にまだ腹落ちできていない、という場合がほとんどです。

結局のところ何が問題なのか、どこの表現に何故しっくりこないのか、と感覚ともいえるものと真面目に向きあって考えて、答えを出していくという作業の繰り返しになります。

冒頭でプロセス自体に価値がある、とお伝えしたのは、この向き合って考える過程を経たことで自分たちの軸としてより定着しますし、ブランドを育て守る熱意の根源にもなるからです。生みの苦しみはありますが、頑張りましょう。

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