コラム

TVCMの効果はどのように測定するのか

Q&A
執筆
尾崎 久恵
公開日
2016年11月29日
更新日
2022年9月21日

TVCMを新しくうったのですが、TVCMの効果がいったいどの程度あったのかの効果測定を行いたいです。

家庭用消費財メーカー

TVCMには大変な予算がかかりますし、実際に売上にどの程度寄与したのか、ブランドは順調に育成できているのか、その効果を知りたい…というのは当然だと思います。数字でどうだったか出せれば、今後の戦略をどうしていくべきか、想像ではなく具体的に進めていくことができます。今回のお話は少し計算や分析の内容になります。普段の業務で使われていない方には少し馴染みにくいかもしれませんが、ぜひお付き合いくださいね。

まず、TVCMの効果は、短期的・長期的に分けて考える必要があります。長期的にはブランドに、短期的には売上に効果が出てくると考えられます。今回は比較的わかりやすい、短期的な効果である「売上」への効果を見ていきたいと思います。

「売上」の中身ですが、売上が上がったとしても下がったとしても、寄与したのはTVCMだけではないですよね。同時に行っていた別の活動を除外した上で効果測定をする必要があります。例えば、価格はどうだったのか、山積みがどの程度行われていたか、チラシは…などです。特にTVCMをうっている期間は、集中的に別の販売促進活動をおこなわれている可能性が高いと思います。そういった別の活動を切り離してみるために、「売上」を非説明変数とし、他の活動をそれぞれ説明変数としてモデルを作り、重回帰分析をかけるのが一案です。この場合は、同時期に活動が集中することによって多重共線性(マルチコ)が発生する可能性が高いので注意が必要です。

TVCMの効果は線形で即効性があるわけではなく、見過ぎると平準化してしまうし、見始めてもしばらくはインパクトが出ないとされ、通常Sカーブを描くと言われています。価格と違って、その瞬間に効果が現れるものではなく、消費者の記憶にしばらく蓄積されてから効果が出るということですね。

さらにTVCMの難しいところはアドストック(Ad Stock)と呼ばれる残存効果も考える必要があります。アドストックの計算方法(モデル)も世の中にはたくさんありますので調べてみてくださいね。つまり単位GRPあたりの効果は倍々には増えていかないということです。

これらを踏まえて、重回帰分析でガリガリと計算を行っていただくことになります。社内で計算を行えれば、TVCMの作成&レビューも非常に効率的に行えますよ。ご担当の皆さん、ぜひ取り組んでみてくださいね。

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