コラム
自社商品をより使ってくれそうなお客様はどんな人か知りたいです。どんな方法で知ることが出来ますか?
家庭用消費財メーカー
もっともシンプルな方法は、決定木分析ではないでしょうか。決定木というのは、ごく単純に説明すると、買いたい人とそうでもないという人が混ざったグループを二つに分けた場合に、2つのグループの「買いたい人の含まれ方」がもっとも異なるように分けられる条件で分けていく統計手法です。
グループを分ける条件は、買いたい人とそうでない人をよく区別する条件、つまり、買いたい人を特徴づける要素と考えることができます。グループ分けを繰り返し、最終的に買いたい人が多いクループに分けられる条件の組み合わせが、買いたい人がどんな人かを説明するものになります。
決定木は、ある明確な条件に対してイエス/ノーを判断して分けるだけである、様々な説明要素を考えるときに分岐の条件にあがったものを影響のある要素として着目すればよい、というわかりやすさに加え、条件の組み合わせが異なる複数の人(セグメント)も発見できる、というのがメリットです。
多くの統計解析ソフトでパッケージ化されているので使いやすい、といのもあります
決定木を行うには、
①使ってくれそうな人を表す指標
②使ってくれそうな人を説明する要素を決めて情報(データ)を集める必要があります。
①は、5段階評価の利用意向、または、利用したい/そうでもないの2値で示した利用意向などがよく使われます。利用者/非利用者の2値を使うこともできますが、その場合、非傾聴ターゲットが含まれることに注意が必要です(理由は「決定木 vs 因子クラスター〜セグメンテーションのお話(1)」の記事を参照してください)。もし、嗜好性の高い商品やまだあまり世に知られていない(認知されていない)商品など、含まれる可能性が低い場合は大丈夫かと思います。
②は「こんな人ではないか」という仮説があればそれを中心に情報を集めましょう。属性のほか、そのカテゴリーでどのように購入・利用するか、例えば、購入価格、頻度、チャネルのほか、利用シーン/場所/時間などといったこと、また、購入・利用のベースにある意識や価値観など、様々な観点であげておくのがよいと思います。
決定木の結果は、使ってくれそうな人がよく絞り込めているか・分岐条件に妥当な解釈ができるか・当たり前の条件で固まっていないか、といった視点で判断し、分ける深さや要素の組み入れ方を見直し検討します。
先にも話したとおり、決定木はある条件で分けられグループに次は別の条件で分ける、ということを繰り返す手法なので、先に分けた条件の影響を受けて次の条件が決まります。よい分析結果が得られない場合、先に出た条件を一旦除いて改めて分析する、といったことも試します。
ごくシンプルな手法なのでご自身でやってみるのも難しくはないかと思いますが、お困りのことがありましたら、是非ご相談ください。
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