コラム
他社との差別化としてブランディングを行いたいです。考え方や初心者でも取り掛かれるポイントなどありますか?
家電メーカー
「ブランディング」という言葉は、馴染みを持っている方がおられるかもしれませんが、中には、言葉は知っているものの、どうやってブランディングを行えばいいのか分からないという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
競合他社との差別化を図りたい、より多くの人に選ばれたい、商品を認識してもらいたいけど、そのためにどのように行動すればいいのか分からないという思いは、おそらくどんな部署・職種であっても、商品を売るという業種の方は皆感じているところかと思います。
そこで今回は、そんな方たちに是非考えてみてほしいブランドの約束についてお話します。
ブランドの約束とは、一番重要な(核となる)価値のことを指します。つまり、その会社(商品のブランドの場合は商材。以下省略)を通してお客様に提供する価値を一文で表したものです。
あなた会社の商品やあなたの会社の良さについてとにかく考えて下さい。そしてその良さをお客様が受け取った結果どうなるのかが価値です。
例えば、カメラについて「小型で軽い」「女性向けでかわいい」「1秒間に30連写」という良さがあるとすると、その価値は、「旅先で思い出も自分も彩る」というように定義されますね。
ここでのポイントは、色んな良さの中で一体どれが重要なのか、その良さが表すものは何かを深く掘り下げて考え抜くことです。また、誰にとっていいのかという視点も必要ですね。そしてそういった良さの結果どうなるのかを、最もしっくりくる文言で1文にまとめ上げるところに難しさがあります。
先ほど事例の場合、競合他社が一秒間に60連写しているのであれば、30連写に着目するのではなく、自社の独自性がある女性向きでかわいい・小型で軽いという要素に着目し、どのような場面でその商品の魅力が発揮されるか、その商品がどんな使われ方をすると良いかを想像します。
弊社では、これを行う前段階に考える為の材料として、実際にその会社の商品には消費者から見てどのような素晴らしい点があるのか、その商品はどんな選ばれ方、使われ方をしているのか、及び社内の商品を作っている人・売っている人からみた商品の良さについてのインタビューを実施しています。
価値は、会社の考え方や姿勢などいろんな要素が集約されて、商品となりお客様の元に届く(もう既に届いている)ものです。「この商品の価値は何?」、その答えに1番近いのは、商品の専門家であるあなたのはず。ただ、灯台下暗しという言葉があるように、自分たちのことだからこそ見えない部分もありますし、上記に述べたような他の会社にはない独自の価値を発見し、魅力的なものにするのは至難の技です。
価値とは、哲学的な議論が積み重なった結果生まれるものなので、より強いそして愛されるブランドを考えるならば、会社の専門家であるあなたとブランディングのプロと一緒に作るのが一番の近道です。
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