コラム
10年以上販売を続けている調味料について、商品自体の製品改良ではなく、これまでにはなかった切り口や捉え方、活用法を紹介することで消費者に向けて「新しさ」を発信したいと考えています。
食品メーカー
宣伝の元となるコンセプト自体を見直そうと思うのですが、既存商品のコンセプト作り直す上で重要なことはありますか?
商品の機能的な開発や改良は時間や予算の都合もあり、いつでもすぐにできるというものではありません。しかしその間にも多くの競合が新商品を展開するわけなので、企業が生き残るためには、常に様々な施策を打つ必要があります。
お金も時間もない・・・・、こうした状況下で有効なのが、コンセプトの再設計です。時間にも予算にも負担をかけず、消費者に新商品のような新鮮さを提供することができます。
ただし、コンセプトを新しくすれば何でもいいのかというと、そうではありません。コンセプトを再設計する時は以下の2点に注意しましょう。
「商品のコンセプトを作り直す」ということは、「商品で伝える内容を作り直す」ということに他なりません。すなわち、既存のコンセプトで満足していなかった新規消費者層を獲得できる一方で、既存のコンセプトで満足しているユーザーが離脱する可能性があるということです。したがってコンセプトを作り直すときには、離脱する可能性がある既存ユーザー数を、コンセプトを新しくしたことで獲得できる新規の見込消費者数が上回る必要があります。
なので、既存ユーザーをできる限り失わないようにするためにも、新しいコンセプトは、既存のものから大きく脱線せず、新規消費者を獲得できるようなコンセプトを考えなくてはなりません。
どれだけわかりやすい根拠や、素晴らしい文面であったとしてもその便益自体が消費者にとって魅力的でなければその商品は売れません。消費者にとって「魅力的である」と思ってもらうためには、消費者のニーズをしっかりと把握し、それと、商品がもたらす便益をコンテクスト(便益の重要度をあげる情報)にしっかり反映させる必要があります。
例えば、「煮物の調理ってすごく時間がかかりますよね?しかし、この調味料を使えばたった3分で作ることができます」などのように、適切なコンテクストをつけることで、便益の重要性が一時的に高まり購入意欲を増幅させることにつながります。
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いつまでも愛される商品をつくるために。商品価値をあげる法則とは。
2018年4月20日 堀井 里奈