コラム

新製品の価格設定〜PSM分析について〜

Q&A
執筆
高橋 孝之
公開日
2017年2月1日
更新日
2022年9月21日

化粧品メーカーです。新製品をつくり、価格を設定することになりました。そこで価格設定方法として、「ターゲットが製品の価値をベースに、どれだけの値段で購入するのか」という知覚価値価格設定方法を取り入れることにしました。どのようにしてターゲットから製品価値を測定すればよいでしょうか?

メーカー

新製品の価格設定はきわめて重要です。どれだけ売り手にとって質の良い製品であっても、ターゲットが考えるその製品の価値と実際の価格設定が適切でなければ売れなくなってしまいます。

価格設定のためにターゲットにとっての製品価値を測定する時は、定性的な商品価値を測定するより、新製品のコンセプトを伝えた上で、定量的な価格自体を確認した方が良いといえます。

定量的な商品価値の設定として代表的な方法にPSM分析というものがあります。PSM分析とはターゲットに4つの質問をし、そこから得られた答えをもとに適切な価格を導く手法のことです。
4つの質問が以下の通りです。

①この商品が幾らくらいから『高い』と感じ始めるか
②この商品が幾らくらいから『安い』と感じ始めるか
③この商品が幾らくらいから『高すぎて買えない』と感じるか
④この商品が幾らくらいから『安すぎて品質に問題があるのではないか』と感じ始めるか

これらの質問で得られたそれぞれの価格をグラフ化することでその製品の適切な価格を知ることができます。

PSM分析において重要なことは、ターゲットにその製品に対する基準価格があることです。例えば、えんぴつが100万円で売られていたとします。ターゲットの頭の中にはえんぴつのベンチマークが存在するため、売値の100万円という価格が高いことがわかります。

また、このことの裏を返せば、その製品の基準価格がなければ、PSM分析は有効ではないということができます。例えばドラえもんが10万円で販売されていたとしても、ターゲットにはドラえもんという商品のベンチマークが存在しないため、ドラえもんにつけられた10万円という価格が、高いのか安いのか判断できません。

ドラえもんの他にも、サービス業のようにモノが存在しない場合や、あまりにもイノベーティブで他に類似した商品がないモノも、ターゲットの頭の中にベンチマークが存在しないため、PSM分析は有効ではないといえます。ちなみに、このような場合には、売り手が自由に価格設定してもよいでしょう。

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