コラム
食品メーカーです。とある機能性食品を市場に出してから、まもなく20年が経ちますが、先日、ユーザーに対する調査を行ったところ、上市した頃のメインユーザーは10代の女性であったにもかかわらず、30代の女性が大きなボリュームゾーンを形成していました。仮説として、20年前に10代だったユーザーがそのまま年齢を重ねたことが考えられますが、既存のユーザーを失わずに新たな10代のユーザーを取り込むにはどのような点に留意すれば良いでしょうか。
食品メーカー
「10代」というターゲットの設定の仕方について、少し考え直す必要があるように思います。
なぜなら、上市当時に「10代女性」をターゲットにしていたとはいえ、20年という月日が経った今、同じ10代女性でも、時代が異なれば価値観や考え方が全く異なるからです。しかも、既存のユーザーである30代と新たなターゲット層である10代の間には「20代」というまた別の層が存在するため、「30代」と「10代」、どちらからも好かれようとすると、結局どっちつかずのものができてしまい、結果、誰からも選ばれないようなものになってしまいます。ブランディングにおいて八方美人がいかに良くないのかについては、ホジョセンメルマガの中でも、たびたびお伝えしてきましたよね。
そこで、今回の事例の場合は、一度「年齢」という枠組みを取っ払ってしまいましょう。
まずは既存のユーザーについて、ユーザーの方たちが、なぜその商品を選んでくれているのか、その人たちがどのような暮らしをし、そしてどのように物事を考えているのかなどについて、もう少し詳しく掘り下げるのがいいと思います。
そうすれば、きっと既存のユーザーの中に、「30代」という年齢だけではなく、例えば「価値観」や「ライフスタイル」、「趣味」といった新たな共通項が見つかると思います。
そして今度は、その共通項を新たな軸としてマーケティングを展開してみてはいかがでしょうか。
「10代」に限らず「20代」「40代」などにも世代の境界を超えて、その共通項を持つ層が必ず存在するはずです。
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