コラム
カフェチェーン店です。もともと、「空き時間にちょっと寄りたくなる場所」をコンセプトに、女子大生をメインターゲットにした店舗運営、拡大を行ってきました。
カフェチェーン店
しかし、店舗拡大に伴い、ターゲットとしている層の市場規模が少なくなってきたため、主婦やママ友同士でもきてもらえるように、商品やサービスを考案し、うまく取り入れたいと思っています。
今後も店舗拡大を進めながら、ターゲット層も広げていくにあたって、注意するべき点はどこでしょうか。
以下の3点についてご検討してみてください。
まず 1 に関してですが、カフェチェーンは店舗ごとに商圏があります。つまりその店舗の半径○km圏内に住んでいる人や、またはその近辺をよく通る人がターゲットになります。
そのため、カフェという物理的な距離が大きな鍵である業態で店舗拡大する際は、他の自社カフェと商圏が被らない、ターゲットが集まってくる場所に出店するということが大切になります。
ご相談にあるようにこれからも店舗拡大していくというのであれば、商圏分析を行い、女子大生がたくさんいる場所に狙って出店すれば、無理に今の女子大生というターゲットを拡大する必要はないかもしれないですよね。
また、ご相談では店舗拡大に伴い、ターゲットとしている層の市場規模が少なくなったとのことですが、ご相談者さまの既存の商圏で全てのターゲットを刈りとってしまったということはまずありません。例えば、女子大の前に店舗出店したからといって、その女子大の全生徒がそのカフェを利用するということはありえないですよね。
ですので、ターゲットの拡大を考える前に、今一度既存の商圏でのターゲットのとりこぼしがないか、またそのとりこぼしに対してアプローチできることはないか見直してみてください。
次に、2 についてです。それでもターゲットを女子大生から拡大したい、という場合です。もしご相談内容の通りにターゲットを主婦、ママ友層にまで広げた場合、もしかしたら元のターゲットであった女子大生が来なくなってしまうかもしれない、という懸念があります。既存の女子大生が来なくなってしまうというダメージの軽減にも繋がるため、ターゲットの拡大においては、現在ターゲットとしている女子大生と似ている、共通項を持っている人を対象に徐々に広げるようにしましょう。
最後に、3 の商品やサービスに関してですが、まず店の稼働率を下げてしまうものではいけませんし、社内でどこまで出来るのか、という点が大きな問題です。
カフェは座席ごとにいくら儲けを出せるかが大切です。自由に使えるコンセントや、おかわり自由などのサービスは稼働率を下げ、結果として売り上げが下がってしまうかもしれないので、しっかりシミュレーションをすべきでしょう。
サービスが増えることによって顧客側にデメリットはありません。むしろ、社内で体制を整え、マニュアルを作成し、実行、拡大することが出来るかどうかを考慮した方が良いです。また、商品やサービスを拡大することで本当に主婦やママ友が来てくれるのか、ということも考えておきたい点です。
既存顧客となっている女子大生とぶつかってしまうことなく、主婦、ママ友がそれを理由に来店したくなるような商品やサービスはそもそも何なのか、というところを考察しましょう。
サービス関連のマーケティングについては、マクドナルドの 60 秒チャレンジキャンペーンを考えるの記事も、ぜひ参考にしてみてください。
ホジョセンメルマガは、マーケティングのご質問にお答えしたり、マーケティングコラムをお届けしたり、と毎週たったの5分で読めるマーケティング情報を、毎週水曜日にお送りしています。
ホジョセンメルマガに登録マーケのヒント
地域ブランドにはストーリーが必要だといわれるが、そもそもストーリーってなんだろう?
2018年4月23日 高橋 孝之
Q&A
若いユーザーを取り込みたい
2017年1月15日 高橋 孝之