コラム

効率的で効果的なアンケートの取り方

Q&A
執筆
高橋 孝之
公開日
2019年1月16日
更新日
2019年5月21日

カルチャー教室を運営しています。入会しても継続してくれる会員が少なく、アンケートをとって何が問題なのかを探りたいと思っています。
せっかくなので、効率的かつ効果的なアンケートを実施したいと思っているのですが、気をつけるべき点はどんなところでしょうか。

カルチャー教室運営

「アンケートを何のために実施するのか?アンケートをとってどんなアクションを取るつもりなのか?」をしっかり意識することが大切です。そして、そのアクションを取る/取らないを判断するためにどんな設問をすれば良いのか、という風に逆算して設計することがポイントとなります。

問題だと思う点を洗い出し、それが本当に問題となっているのか検証する必要があります。調査票(アンケート)で聞かなかったことは後ほど知る由がないので、最初に仮説を立てた上で、それを判断できる設計にしておく必要があります。

例えば、「講師の質に問題がある」と思うなら、もちろん講師について質問しなければなりませんし、「一緒に受けている生徒の質が良くないのではないか」と思うのならそれについて聞かなければなりません。

今回は、教室を継続してくれる人が少ないということですが、アンケートをとる対象者についても考えておく必要があります。継続して続けてくれている会員に取るよりも、やめてしまう会員の方がアンケートの対象者に適していると言えます。

もしくは、入会した時点で期待値を取り、またやめるタイミングでもう一度アンケートを取ることで、期待していたポイントと実際のギャップを測るのも良いでしょう。

同じアンケートを継続している人、やめる人どちらにも実施し、考察してみるのも手です。継続している会員はたとえ不満点があっても、継続しているという点でそれは「やめる」という大きな要因になっていないのだろうとも予測できます。

さて、アンケートの中身について留意したい点ですが、アクションが取れない項目に関して質問するのはやめておきましょう。例えば、講師が一人しかいないのに、「講師を誰かと交代してほしいか、別の講師の方が良いか」を問う質問であったり、価格の下げようがないのに料金設定の良し悪しを問う質問をするのは、回答されてもこちらがアクションの取りようがないので、避けたほうが良いでしょう。

あともう一点気をつけておきたいのが、質問の聞き方です。アンケートにおいては、前の質問がバイアスになることがあります。例えば、「〇〇教室の月謝の平均金額は〜円ですが、現在の月謝は安いと思いますか」などという聞き方は、回答者にバイアスをかけることになります。

また、どれにも当てはまらない、またはどれも当てはまるような選択肢を提供するのも良くありません。このような質問だと回答者は答えを言いにくく、適当に丸をつけて回答してしまう状況が発生する可能性があり、本当の声を聞き取れなくなるためです。

アンケートを取るときは、「〇〇が問題であるだろう」と最初に仮説をたて、それを検証できる設計をし、質問そのものの聞き方や内容にも配慮を忘れず、実施していくようにしましょう。

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