コラム

アンケート結果が実際と乖離しているときの理由

Q&A
執筆
高橋 孝之
公開日
2018年12月15日
更新日
2021年9月4日

食品メーカーの商品開発部です。新しくメニューを作るにあたって、お客様の声を商品開発に生かそうと思い、アンケート調査を行いました。
しかし、アンケートで分かったお客様の要望と、売れている商品にギャップがあります。
どうしてこういうことが起こってしまっているのでしょうか?

食品メーカー商品開発部

アンケート調査で得られた顧客の要望と、実際に売れている商品に乖離がある・・・こういった場合に考えられる原因には、以下の二つがあります。

まず一つ目ですが、アンケートで聞き取った内容と関係のないところで売り上げの差が出ている可能性があります。多くの場合アンケートでわかるのは、購入意向(=買う気があるか否か)のみです。そのため、たとえ顧客からのウケが非常に良かったとしても、認知度が非常に低い場合や、配荷率が低く、購入しようと思っても手に入らない場合は、購入に繋がりませんよね。

次に、二つ目の原因についてですが、そもそもアンケートの設計が悪い可能性も考えられます。というのも、アンケートとは、現実に消費者が知っていることをベースに作られている必要があり、そこで得られた回答を基に、本当にその人が求めているものを理解しなければなりません。

そのため、回答者が思ってもいないことを答えさせていないか、または非現実的なシーンを想定していないか、もしくはバイアスがかかっているような質問になっていないかなど、アンケートの設計に不備がないか、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

例えば、 「不健康になっても良いから油物を食べたいと思いますか?」と聞かれたらどうでしょう。もしかすると、本音では「それでも食べたい!」と思っていても、「不健康は良くない」という社会的な規範から、ついつい「NO」と答えてしまうかもしれませんよね。

以上のように、アンケートにおける単純な回答や数値だけで判断してしまうと、回答者が考えていることを無視して全く違う方向に進んでしまう可能性もあります。

もし今回のご相談のように、アンケート結果と現実にギャップがあるというのであれば、 書かれている内容が本当にお客様の本音を反映しているものなのか、また、そもそもアンケート自体がそれを聞き取れるような設計になっているのかを今一度見直してみるといいかもしれません。

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