コラム

チラシ配布の効果測定における留意すべき2つのポイントとは

Q&A
執筆
尾崎 久恵
公開日
2018年1月10日
更新日
2022年9月21日

飲食店を経営しています。業務拡大のために新店舗を開店しました。近隣住民への宣伝活動として、街頭でのチラシ配布や、近くの商業ビルなどの施設にチラシを置かせてもらっています。徐々にお客さんが増えてきているように感じますが、チラシの配布の効果がどの程度あるのか、どの方法が良いのかがよくわかりません。今後の広告手法をブラッシュアップするため、効果測定はどのように行うと良いでしょうか?

飲食店経営

チラシを配布しているものの、どの程度効果が出ているのか、どの配布方法が良いのかがわからないというお悩みですね。今回のご相談のように、様々な方法でチラシを使ったコミュニケーションを行っておられる場合、効果測定をするためには

①数値を得る手段を決めること
②配布方法ごとに数値を得ること

の2点が必要だと思われます。

1. 数値を得る手段を決めること

まず、効果測定をするためには、効果をカウントするための手段が必要ですよね。ここでは、お店に来てもらうことを広告の目的として考えてみます。

では、「チラシを見て来店した人の数」をカウントするためには、どのような手段があるのでしょうか。
一番分かりやすいものは、チラシを見て来たかどうかを来店したお客さんに直接聞いてみることです。例えばインタビューは簡単かつ直接的なので非常に有効な手段なのですが、対象人数が多いと抜け漏れなく実施することは難しいこともあります。その場合、アンケートのほうが現実的かもしれませんね。

他には、チラシに割引や特典をつけ、店舗で利用された回数を数えることでもチラシの効果を測ることができます。チラシに予約フォームにつながるQRコードやURLを載せて、アクセス数をカウントするのも一つの手段です。
対象人数やお店の予約システム、キャンペーン内容などに合わせて数値を得る手段を考えてみてください。

また、「お客さんが増えてきているように感じる」とのことですが、100枚配って10人来るのと、1000枚配って10人来るのは雲泥の差ですよね。お客さんが多いに越したことはありませんが、「広告の効果測定」においては数よりも割合のほうが重要です。割合を出すためには分母が必須なので、手渡しなら配ったチラシの数、設置なら無くなったチラシの数を正確に把握しておきましょう。その配布数(分母)とチラシを見て来店した人の数(分子)から、コンバージョンできた割合(反応率)を計算してみてください。

2. 配布方法ごとに数値を得ること

さて、質問者様は様々な方法でチラシを配布しているため、どの方法がより効果的なのかを知りたい、とのことでした。配布方法ごとに反応率を計算するためには、どのような手段があるのでしょうか。

インタビュー、アンケートの場合は「どこで・どのようにチラシを得たのか」を直接質問することができます。

また、チラシの種類を複数作って配布方法ごとに配るチラシを変える方法もあります。例えば、割引や特典を使ってカウントする場合、クーポンコードを複数作って配布方法ごとに違うものを使えば、利用回数を比較することができますよね。QRコードやURLを使う場合も同様に、複数のアドレスを作り配布方法ごとに記載されているアドレスを変えることでアクセス数の比較が可能です。

このような、チラシの内容を複数作って効果を比較する方法は、今後チラシの内容を改善していくにあたっても有効な手段です。例えば、安さを訴求するチラシ、居心地の良さを訴求するチラシ、アクセスの良さを訴求するチラシ…などを複数使って効果を比較することで、宣伝活動をブラッシュアップすることができます。

ただ、この手段を使う際は、変数を一つだけにすることが分かりやすい分析のためには重要です。例えばA地域でAチラシ、B地域でBチラシを配ると、反応率に差が出てもそれが地域の違いによるものなのか、チラシ内容の違いによるものなのかが分かりにくいからです。地域差を知りたければA、B地域両方で同じチラシを配り、チラシ内容による差を知りたければA、Bチラシ両方を同じ地域で配ることで反応率を比較しやすくなります。

クーポンコードやQRコードのような見た目が変わらないものであれば問題ありませんが、内容そのものに差が出る場合は「変数は一つだけ」を心がけ、配布方法を統一して反応率を比べてみることをおすすめします。

以上2点を踏まえて効果測定を行うことで、チラシの配布方法ごとに反応率を比較することができ、より良い販促活動が可能になると思われます。参考になりましたでしょうか。お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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