効果的なプロービングのコツとは

高橋 孝之

モデレーターです。先日のインタビューでクライアントから、「もう少し正確に理解したいから、しっかりとプローブしてくれ」と指示を受けました。「なぜ?」を繰り返してみたのですが、あまりうまくいきませんでした。効果的なプロービングのコツがあれば教えてください。

モデレーター

インタビューのプロービングはとても難しいですね。

ではまず、ご相談いただいた「なぜ」についてから説明させていただきます。

そもそも定性調査は、「理由」を知りたい場合に実施されることが多いため、どうしても「なぜ」という質問を繰り返し使いたくなるものです。ただ、人によっては、「なぜ」という質問に対して、非難されている、理解されていないという印象を持たれる方も少なくないので、「なぜ」という質問を繰り返すのはあまりオススメしません。

では、どうするのか、というと、「なぜ」を他の質問に置き換えることが大切です。たとえば、

・なぜそれを購入したのですか?
→ 購入の決め手となったのは何ですか? 購入しようと思ったのはどういう時ですか?

・なぜ●●をしないのですか?
→ 何が●●を避けさせているのですか?

・なぜそう思うのですか?
→ 何によってそう思うようになったのですか? どういう時にそう思うのですか?

など、Whyの質問を、What/When/Whoなどに置き換えることがオススメです。
直接的には異なる質問であっても、分析する上で問題になることは稀ではないかと思います。

次に気をつけたいのが、あいまいな動詞です。
日本語には曖昧な動詞が多いので、しっかりと狭い意味を持つ言葉に掘っていく必要があります。

たとえば、

・「問題が起きたので対応しました」
→ 「対応」とは何か? 問題の原因を理解することなのか、誰かに伝えることなのか、問題を解決することなのか・・・?

・「料理をしている時に」
→ 「する」とはなにか? 食材を洗っている時、切っている時、煮込んでいる時、待っている時、並べている時・・・?

などです。

そして最後に、仮説です。

効果的なプローブをするには、リサーチの目的と、リサーチによって取られるアクションが頭にあった上で、対象者の発話がピースとしてどのように当てはまるのかを常に考えながらインタビューをする必要があります。

「しっかりとプローブしてくれ」というクライアントさんの言葉は、プローブのことを伝えているわけではないかもしれません。
「自分たちの事業のヒントにならない」というメッセージかもしれませんので、頭のなかは常にクライアントさんの担当者の気分で臨むことが大切だと思います。

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