定量調査と定性調査について知っておくべきポイント

金本 奈絵

観光地の広報を担当しています。近頃、外国人観光客の来場が増えてきたので、今後の集客のためにも、なぜ来ていただけたのかを把握したく、調査を依頼したところ、インタビュー形式の定性調査を提案されました。

当方としては、せっかくの機会ですし、よりたくさんの方の意見を集められる定量調査の方がいいような気がするのですが、なぜ定性調査なのでしょうか?

観光地広報担当

何となく、n数(サンプルサイズ)が少ない定性調査より、データ量の多い定量調査の方が信頼性が高いのではないか?と漠然と感じられている方は意外と多いと思います。しかもウェブ等でのアンケート調査がどんどん安価になり、結果が出るスピードも早くなっている昨今、定量調査の使い勝手はどんどん上がっています。

ですがそもそも、定性調査と定量調査は、代替使用することは基本的にはできません。定量調査と定性調査はそれぞれ別の特長を持っていて、調査したことによって分かることも、違うからです。

ではまず、それぞれの特徴をみてみましょう。

定量調査

n数を多くでき、マスでの状況を把握するのに適しています。

「ビジネスを前に進めて良いのか、ダメなのか」「AかBかCか…」などを量的に判断したい場合といった、仮説が確定している段階で確認に使う場合が多いと思います。

ただ、当たり前ですが、定量調査はアンケートの項目にあげたことしか答えてもらうことができません。つまり、定量調査からは、「○○という項目が多く出た」という事実や傾向はわかっても、それらについての因果関係や理由を直截的に知ることができないので、仮説を構築することはできません。

定性調査

定性調査とは対照的に、「なぜ」「どうして」を明らかにすることができるのが定性調査です。何かを修正したいという場合にも、その場でどんどん掘り進め聞いていくことができますので、非常に効果的です。

例えば、今回のご相談のような、観光地を選んでくれた理由が知りたいという場合にも、定性調査がおすすめです。

そもそも定量調査の場合だと、アンケートの選択項目から選んでもらう形式になるので、選択項目から漏れてしまっていた時点で、その調査は意味をなさなくなってしまいます。また、仮に選択項目が網羅されていたとしても、理由を知った後のアクションにつなげていくためには、できるだけ深くその理由を理解する必要があり、そうなるとやはり定性調査が必要となります。もし量的な納得感が必要であれば、定性調査で出てきた内容を元に定量調査を作成し、確認作業を行うと良いでしょう。

さて、それぞれの調査の特徴について知ったところで、再び相談内容に戻ってみましょう。

ご相談では、n数の少なさに不安を感じられているとのことでしたが、定性調査であれば、10人程度に話が聞ければおよそ十分であると言えます。調査内容にもよりますが、きっと10人に話を聞いているうちに、「この話別の人も言っていたな」となると思います。そして、正しく調査設計をしているという前提において、そうなれば定性調査は成功なのです。

ただ、逆にいうと、仮説作成段階の調査で、やってもやっても新しい話が出てくると仮説の間違いを心配する必要があります。それでも、定性調査であれば、その場で聞く内容を更新していくこともできるので、調査の修正もすぐに行うことができるというメリットもあります。

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